風力発電

洋上風力発電 用語集 『あ行』

更新日:2024年5月31日

洋上風力発電専門用語集【あ行】 出典:編集部作成

洋上風力発電専門用語集【あ行】 出典:編集部作成

 

洋上風力発電事業に関する専門用語をまとめました。一般的な洋上風力発電に関する用語の他、能代市に関連する用語についても解説しています。この記事は、洋上風力発電用語集シリーズのうち、「あ行」の用語を解説します。

この記事の著者
エネルギーのまち能代 編集部
皆様は「洋上風力発電」をご存知でしょうか。秋田県能代(のしろ)市では、日本で初めての「大規模商業運転」が2022年から始まっています。
このサイトでは風力発電の話題はもちろん、再生可能エネルギーや環境問題についても幅広く解説しています!洋上風力発電で未来をひらく、能代の「いま」をご覧ください。

洋上風力発電関連用語集 あ

洋上風力発電用語集「あ」 出典:編集部作成

洋上風力発電用語集「あ」 出典:編集部作成

 

アイドリング

風力発電設備が発電しない状態で、風車の回転を最小限に抑えること。風力発電によるアイドリングのメリットとして、以下が挙げられる。
 ・風力発電設備の寿命を延ばすことができる
 ・風車のメンテナンスコストや停止時間を削減できる
 ・設備の破損や事故を防止する
 ・風力発電による騒音や振動の低減

 

アップウィンド式

プロペラ型風車の発電効率向上のための方向制御の方法で、ローターをタワーやナセルの風上側に設置する方法。ローターがタワーの風上側にあるので、タワーによる風の乱れを受けない特徴がある一方で、ローターを強制的に風に対して正対するように制御する機構(ヨーコントロール駆動装置)が必要となる。現在、世界の主流とされている方式。その他の方式として、ローターがタワーの風下側にあるダウンウィンド方式がある。
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アップウィンド方式モデル図 出典:国土交通省

アップウィンド方式モデル図 出典:国土交通省

 

アンカー

浮体式を中心とした洋上風力風車の支持構造物を海底に固定するために必要な部品。アンカーの種類には、ドラッグアンカー、パイルアンカー、サクションアンカー、重力アンカーなどが挙げられる。アンカーの種類の選定方法は、水深や海底地質、風況や波浪などの環境条件により異なる。

 

洋上風力発電関連用語集 い

洋上風力発電用語集「い」 出典:編集部作成

洋上風力発電用語集「い」 出典:編集部作成

 

一般海域

国土交通省が指定・管理する、港湾区域や漁業権区域などの特定の用途に割り当てられていない海域。「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)の適用を受ける。2024年6月現在、秋田県内の一般海域では4海域が促進区域に指定されており、次の通りで運転開始が計画されている。

2028年6月   男鹿市、潟上市、秋田市沖

2028年12月 能代市、三種町および男鹿市沖

2029年6月   八峰町能代市沖

2030年12月 由利本荘市沖

 

インチング装置

風力発電設備のメンテナンスや点検など、特定の条件下で風車の回転を一時的に制御するための装置。風車ロータを手動または自動で少しずつ回転させることができる。ペンダントスイッチと呼ばれる操作部と、モーターやブレーキなどの駆動部からなる。インチング装置によって風車のブレードや発電機などの構成要素の確認や修理を安全に行うことができる。

 

インパクトアセスメント

風力発電によって環境や社会に与える影響を事前に評価し、適切な対策を講じるための手続き。環境影響評価と社会影響評価の2つの側面がある。
環境影響評価では、環境影響評価法に基づき、環境保護の観点から必要な措置を検討する。風力発電所の出力が10,000kW以上の場合には環境影響評価の手続きが義務付けられている。
社会影響評価は、地域との共生の観点から必要な措置を検討すること。法的な義務はないが、風力発電事業の持続可能性や受容性を高めるために重要とされる手続き。

 

インバーター

直流電力を交流電力に変換する装置のこと。洋上風力発電におけるインバーターの役割として、以下が挙げられる。
 ・出力電力の周波数や電圧を調整し、風力発電機の出力電力を系統に適合させる
 ・風速に応じた最適な回転速度に制御する
 ・無効電力を調整し、電力系統の電圧を安定化する
直流電力を海底ケーブルで送電し、陸上でインバーターによって交流電力に変換することで、送電ロスを低減することができる。

 

インピーダンス整合

インピーダンスは、交流回路における電気抵抗を指す。インピーダンス整合は、風力発電装置と電力系統のインピーダンスを一致させること。インピーダンス整合を行うことで、電力の伝送効率を高めることができる。
洋上風力発電においては、風力発電機とインバーターの間にインピーダンス整合回路という回路が設置され、風力発電機のインピーダンスをインバーターのインピーダンスに合わせている。

 

洋上風力発電関連用語集 う

洋上風力発電用語集「う」 出典:編集部作成

洋上風力発電用語集「う」 出典:編集部作成

 

ウィンドアトラス

風の流れや強さを地図上に表示するシステム。風の情報を可視化できる。洋上風力発電でウィンドアトラスを利用することで、風力発電機の最適な配置や運転計画、効率的な運用や保守管理が可能となる。日本では、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公開する洋上風況マップ(Neo Wins)と呼ばれるデータサービスが利用されることが多い。

 

洋上風況マップ「Neo Wins」 出典:NEDO

洋上風況マップ「Neo Wins」 出典:NEDO

 

ウィンドシア

風速と風向きが大気中にある二点間で異なる現象。スムーズな風の流れを妨げる要因となり、低層強風、前線や低気圧などの接近により発生するとされている。ウィンドシアの発生により、風力発電機の回転速度や発電量に影響がある。特に浮体式風車の場合は、ウィンドシアによる風圧の差で浮体が傾きやすくなり、発電量の低下や安定性の損失につながる。
ウィンドシアの評価、予測を正確に行うことで、その影響を軽減することができる。

 

ウィンドファーム

風力発電所。一般的には、複数の風力発電装置を指し、ウィンドパークともいわれる。ウィンドファームの設置場所は、風の流れや強さを地図上に表示するウィンドアトラスを参考にして選定される。日本の洋上風力発電においては、その適地で環境アセスメントや地域との調整を行ったうえで、促進区域として指定されることが多い。

 

ウィンドプロファイラ

レーダーやソーダーなどの装置で地上から上空に向けて電波を発射し、大気中の風の乱れなどによって散乱されて戻ってくる電波を受信することで、高度別に上空の風向きや風速を測定するシステム。日本では、ウェイクの観測と評価手法に関する研究開発の一環で、ウィンドプロファイラを活用している。

 

ウェイク

風力発電事業では風車ウェイクともいわれる。車のブレードが回転した際に風の下流側に発生する、風速が低下する場所や風の乱れが多くなる場所。ウェイクが発生すると、風力発電機の発電量が低下したり、設備に負荷がかかることがある。大規模な洋上風力発電所の発電効率を高めるため、ウェイクの影響解析を正確に行うことが必要とされている。

 

洋上風力発電関連用語集 え

洋上風力発電用語集「え」 出典:編集部作成

洋上風力発電用語集「え」 出典:編集部作成

 

エアフォイル

ブレード(羽根)の断面の形状を指す。エアフォイルは風の流れによって圧力差を生み出し、揚力として風車を回転させる。エアフォイルと揚力の関係は、風力発電の性能や安全性向上の要点とされている。

 

エネルギー変換効率

投入されたエネルギーが目的とするエネルギー(電気エネルギー)にどの程度変換されたかの割合を指す。風力発電の場合は、風の運動エネルギーを風車の回転エネルギーに変換し、回転エネルギーを発電機で電気エネルギーに変換する。エネルギー変換効率は、運動エネルギーから電気エネルギーへの変換率をいう。風力発電は40%程度と言われ、再生エネルギーの中では高い変換効率を有する。
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洋上風力発電関連用語集 お

洋上風力発電用語集「お」 出典:編集部作成

洋上風力発電用語集「お」 出典:編集部作成

 

大型風車

定格発電出力が500kW以上の風車を指す。この基準は時代によって変化しており、現在では1,000kW以上の風車が実用化されているため、大型機の基準は1MWに移行しつつある。発電効率が高い大型風車は、洋上風力発電に適している。
現在運転中の能代港の洋上風力発電風車の出力は一基あたり4.2MWとなり、202812月に運転開始を予定している能代市・三種町・男鹿市沖の一般海域における風車は一基あたり12.6MWが計画されている。

 

オフショア風力発電

海洋上における風力発電のこと。洋上風力発電とも呼ばれる。日本では2020年12月に開催された第二回洋上風力官民協議会において、洋上風力産業ビジョン(第一次)のなかで、次の主要目標を設定した。
・政府による導入目標
  ・2030年までに10GW
  ・2040年までに30~45GW
・産業界が設定した目標
  ・国内調達率を2040年までに60%
  ・2030~2035年までに正味発電コストを8~9円/kWhに削減

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