環境に関する意識の高まり

再生可能エネルギー独自意識調査:洋上風力発電導入賛成は何%?

更新日:2024年5月31日

能代市の洋上風力発電所 出典:秋田洋上風力発電株式会社

能代市の洋上風力発電所
出典:秋田洋上風力発電株式会社

 

再生可能エネルギーへの関心は、ひと頃と比べると格段に高まっています。エネルギー政策が重要な国策のひとつとなり、ニュースでも度々目にするようになった再生可能エネルギー。世間一般ではどのようにとらえられているのでしょうか。編集部で独自調査を実施しました。

この記事の著者
エネルギーのまち能代 編集部
皆様は「洋上風力発電」をご存知でしょうか。秋田県能代(のしろ)市では、日本で初めての「大規模商業運転」が2022年から始まっています。
このサイトでは風力発電の話題はもちろん、再生可能エネルギーや環境問題についても幅広く解説しています!洋上風力発電で未来をひらく、能代の「いま」をご覧ください。

再生可能エネルギーへの意識を調査してみた

再生可能エネルギーに関する認知について編集部で独自に調査してみました。 出典:編集部にて作成

再生可能エネルギーに関する認知について編集部で独自に調査してみました。
出典:編集部にて作成

 

世間の話題を賑わす再生可能エネルギーですが、一般的に人々にどの程度認知され、受け容れられているのでしょうか。インターネットアンケートで、人々の再生可能エネルギーへの意識を独自調査してみました。

【アンケート概要】
調査エリア           : 全国
調査期間            : 2023126日~12月8日
調査対象            : 20代以上男女
サンプル数           : 230
調査手法            : インターネット調査

 

再生可能エネルギーの認知は風力発電がトップ

風力発電の認知度がトップ 出典:編集部にて作成

風力発電の認知度がトップ
出典:編集部にて作成

 

一般的な再生可能エネルギーのうち、最も認知度が高いのは風力発電84.8%
次いで太陽光発電83.5%でした。
一方で、地中熱利用40.4%や小水力発電30.9%は、よく知らない人の割合がまだまだ多いという結果となりました。

 

 

地熱と地中熱は、何が違うの?

地熱と地中熱は、どちらも地球の熱エネルギーを利用したエネルギー源ですが、
その利用方法や利用できる場所に違いがあります。

地熱
地球深部にあるマグマや高温の岩体から放出される熱エネルギーのことです。地熱は、火山の近くなど特定の条件を満たす場所でしか利用できません。高温の熱エネルギーを利用するため、発電や温泉などの利用に適しています。

地中熱
地表から数十メートルから数百メートルの深さにある地中の熱エネルギーのことです。地理的な要件が少なく、場所を選ばずに利用できる可能性があります。比較的低温の熱エネルギーを利用するため、暖房や冷房、給湯などの利用に適しています。

 

再生可能エネルギーに関する取組は、電気自動車・PHVの認知が最も高い

再生可能エネルギーに関する取り組みについてのアンケート結果 出典:編集部にて作成

再生可能エネルギーに関する取り組みについてのアンケート結果
出典:編集部にて作成

 

電気自動車・PHV(プラグインハイブリッド自動車)の認知が最も高く、次点には燃料電池54.4%という結果となりました。
再エネ固定価格買取制度29.4%、スマートコミュニティ・スマートグリッド18.9%、天然ガスコジェネレーション10.5%は、低い認知の結果となりましたが、日常生活でなじみがないことが要因の一つと考えられます。

 

 

スマートグリッド
IT技術を活用して、電力の需要と供給を最適化する次世代型送電網のことです。電力使用量のリアルタイム把握や、発電量や送電量の調整・制御が可能になります。

スマートコミュニティ
スマートグリッド技術を活用し、地域内のさまざまなエネルギーを効率的に利用しながら、地域課題の解決を目指す取り組みです。再生可能エネルギーの導入や、蓄電池の活用、電力融通などの技術・サービスが導入されます。

天然ガスコジェネレーション
天然ガスを燃料として発電し、その際に生じる廃熱も同時に回収するシステムです。回収した廃熱は、蒸気や温水として、工場の熱源、冷暖房・給湯などに利用されます。

 

再生可能エネルギーが自分の住む街に導入される事への理解は反対を上回る

再生可能エネルギー発電所の導入は賛成する人が多い 出典:編集部にて作成

再生可能エネルギー発電所の導入は賛成する人が多い
出典:編集部にて作成

 

再生可能エネルギー導入への受容度は、大規模太陽光発電所48.3%が最も高く、次いで洋上風力発電所45.2%でした。導入に反対と回答した人の割合は、太陽光発電17.1%よりも洋上風力発電所14.0%の方が低い結果となりました。
いずれも、賛成派は反対派を上回っていて、再生可能エネルギーの導入への受容性が比較的高まっていると言ってよいでしょう。

認知度が85%近くある太陽光発電や風力発電と比較すると50%に満たない小水力発電所や木質バイオマス発電所は、わからないと回答した人がそれぞれ、小水力発電所49.1%、木質バイオマス発電所51.8%と約半数を占めました。

 

再生可能エネルギー普及で2人に1人がエネルギー確保に期待

地球環境の保全と安心安全なエネルギー確保に対しての期待が高い 出典:編集部にて作成

地球環境の保全と安心安全なエネルギー確保に対しての期待が高い
出典:編集部にて作成

 

再生可能エネルギーの普及により期待できる効果として、最も高かったのは地球環境の保全53.5%でした。安心安全なエネルギーの確保への期待は51.8%、災害時の非常用電源等としての利用への期待は37.7%、生活利便性の向上は22.8%と、日常生活に近いところや、災害時の電力活用等への期待が高く見られました。

町づくりや地域活性化への期待もあり、再生可能エネルギーに取り組む町の知名度向上は11.4%、地元雇用の拡大は10.1%という結果となりました。

 

市民ファンド型再生可能エネルギーには、4人に1人は参加したい

市民参加型再生可能エネルギーの受容度 出典:編集部にて作成

 

市民参加型再生可能エネルギーの受容度
出典:編集部にて作成

 

再生可能エネルギー分野への注目が集まるにつれ、市民参加型の再生可能エネルギーへの関心も高まっているようです。市民が出資して配当を得ることができる、市民ファンド型の再生可能エネルギー発電事業に参加したいと考える人は4人に1人。26.7%という結果となりました。
2016年に実施した能代市の市民ファンド「風の松原ファンド」でも、2億円の資金調達に対し7.5億円の応募があったことからも、その関心の高さはうかがい知れます。

 

再生可能エネルギーの独自調査結果のまとめ

再生可能エネルギーに対する認知度、受容性は高まってきている 出典:iStock

再生可能エネルギーに対する認知度、受容性は高まってきている
出典:iStock

 

今回の調査を通じて、再生可能エネルギーへの認知は、一般の方にも広がっていると感じました。再生可能エネルギーは今後、政府や自治体、事業者による普及活動等を通じて、より身近なものになっていきそうです。

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