地域と洋上風力発電

【企業紹介】能代の街を80年支えてきた中田建設の歩み

更新日:2026年11月5日

米代川と能代の街

出典:中田建設株式会社提供写真より編集部修正(米代川と能代の街)

 

皆さんは、能代の街の風景を作り、人々の暮らしを支えている「建設業」の役割について考えたことはありますか。秋田県能代市には、日本初の商用洋上風力発電所をはじめ、火力発電所やJAXAのロケット実験場など、日本のエネルギーと未来を担う重要な施設が集まっています。

こうした大規模なプロジェクトの背景には、地域に根差し、長年にわたってインフラ整備を担ってきた地元企業の存在があります。今回は、1946年の創業以来、80年にわたり能代の街づくりに貢献してきた「中田建設株式会社」の歴史と取り組みについてご紹介します。

この記事の著者
エネルギーのまち能代 編集部
皆様は「洋上風力発電」をご存知でしょうか。秋田県能代(のしろ)市では、日本で初めての「大規模商業運転」が2022年から始まっています。
このサイトでは風力発電の話題はもちろん、再生可能エネルギーや環境問題についても幅広く解説しています!洋上風力発電で未来をひらく、能代の「いま」をご覧ください。

戦後復興から高度成長期へ:能代とともに歩んだ80年の歴史

能代市役所

出典:編集部にて撮影(能代市役所)

 

中田建設の歴史は、1946年(昭和21年)10月、「中田組」として創業したことから始まります。1949年の能代の大火をきっかけに、創業者である中田初雄氏は、地域の復興と人々の能代の大火からの生活再建に不可欠な建設業に身を投じました。

1949年(昭和24年)には株式会社へと改組し、本格的な企業としての歩みをスタートさせます。当時は、戦後の木材需要の高まりとともに「東洋一の木都」と称された能代市の活気と連動するように、建設需要も急速に拡大していきました。1952年には能代市内に自社の製材所を開設し、資材の調達から施工までを一貫して行える体制を整えました。

その後、日本の高度経済成長期とともに、中田建設も着実な成長を遂げます。1950年には仙台出張所(現・仙台支店)、1966年には秋田出張所(現・本社)、そして1970年には東京出張所(現・東京支店)を開設し、秋田県内にとどまらず、東北地方から首都圏へと事業エリアを拡大していきました。

 

時代

主な出来事

企業としての成長

1940年代

1946年「中田組」創業、1949年株式会社へ改組

東京出張所開設、建設大臣許可取得

1950年代

1952年製材所開設、1956年資本金増資

資材調達からの一貫体制の構築

1960年代

秋田出張所開設、資本金3,000万円へ増資

県内での事業基盤の確立

能代港の港湾建設の中心的な役割を担う

港湾土木の基盤を確立

1970年代

東京出張所開設、建設大臣許可取得

首都圏への進出と全国規模の許認可取得

 

総合建設業としての多角的な事業展開

中田建設能代本店

出典:能代山本雇用開発協会(中田建設能代本店)

 

現在の能代本店(秋田県能代市万町4-29)と秋田本社(秋田県秋田市山王5-9-2)を拠点とする中田建設は、単なる土木・建築会社にとどまらず、多岐にわたる専門分野を持つ総合建設業へと進化しています。

事業内容は、土木工事や建築工事をはじめ、大工、左官、とび・土工、石工、屋根、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、造園、建具、水道施設、解体など、建設に関わるあらゆる工程を網羅しています。

また、グループ企業との強力な連携も同社の強みです。生コンクリートの製造・販売を担う「中友商事株式会社」や、アスファルト合材の製造プラント「白神アスコン共同企業体」など、関連会社と協力することで、高品質な資材の安定供給と効率的な施工を実現しています。

 

「原点」と「適応」で未来を創る経営理念

中田赳社長

出典:中田建設株式会社(中田赳社長)

 

2023年に第8代代表取締役社長に就任した中田赳(たける)社長は、これからの企業としてのあり方について、「原点」と「適応」という二つの言葉を掲げています。

 

「『原点』として、創業から培ってきた技術力・信頼関係を再認識し活かすことで、企業として盤石な基礎を築きます。次に『適応』として、変化の激しい時代や環境においても常に最適解を見出すことに努力し続けます。」

(中田建設株式会社 代表挨拶より)

 

この「原点」とは、地域に根差し、安全第一で誠実な施工を行うという、創業以来変わらない姿勢です。一方の「適応」とは、IT技術の導入による施工管理の効率化や、新しい環境基準への対応など、時代の要請に合わせて柔軟に変化していく姿勢を指しています。

中田建設は、経営理念として「Future Creation」を掲げ、地域社会の持続的な発展のために「人と暮らし」「いまと未来」をつなぐ責務を果たすことを宣言しています。この理念は、すべての社員の行動指針となっています。

 

品質と環境への高い意識:ISO認証の取得と実践

中田建設は品質と環境への意識が高い

出典:中田建設株式会社提供写真より編集部修正(中田建設は品質と環境への意識が高い)

 

現代の建設業において、高い品質の確保と環境への配慮は不可欠な要件です。中田建設は、この両面において国際的な基準を満たすための取り組みを積極的に進めています。

2000年には、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得しました。これにより、「顧客のニーズを把握しクレームのない施工と管理に努め、顧客の要求する建設物を提供する」という品質方針が、社内のシステムとして確固たるものになりました。

さらに、2021年には環境マネジメントシステムのISO14001の認証も取得しています。環境方針として、「品質・環境目標を定め、積極的に取り組み、経営理念の実現を目指す」「事業活動に適用される法規法令を順守する」「クレームの無い施工管理と安全管理に努める」などを掲げています。

大規模な工事を行えば、少なからず周辺環境への影響が生じます。中田建設は、騒音や振動の抑制、廃棄物の適正処理、リサイクル材の活用などを通じて、人と自然との共生を図りながら、豊かな社会と良い環境づくりを目指しています。

 

エネルギーのまちを支える「縁の下の力持ち」として

能代港の大森ふ頭用地造成工事

出典:中田建設株式会社(能代港の大森ふ頭用地造成工事)

 

能代市は現在、「エネルギーのまち」として全国から注目を集めています。能代港の洋上風力発電所や、東北電力能代火力発電所、そしてJAXA能代ロケット実験場など、最先端の施設が稼働しています。

中田建設は、これらの重要施設の建設や整備にも深く関わってきました。能代港の大森ふ頭用地造成工事など、大規模な土木工事を通じて、エネルギーインフラの基盤づくりを支えています。

私たちが日々当たり前のように使っている電気や、未来に向けた宇宙開発の夢。それらは、厳しい自然環境の中で確かな技術をもって施工にあたる地元建設会社の存在があってこそ成り立っています。完成した施設そのものが脚光を浴びることはあっても、その土台を築いた建設会社の仕事は目立たないかもしれません。しかし、その「縁の下の力持ち」としての役割こそが、地域社会の発展を根底から支えているのです。

 

次世代へ技術を繋ぐ人材育成

中田建設で働く人

出典:中田建設株式会社提供写真より編集部修正(中田建設で働く人)

 

建設業の要は「人」です。いかに優れた機械やシステムを導入しても、最終的に現場を動かし、品質を確保するのは技術者の腕と経験です。中田建設には現在106名の従業員が在籍しており、その多くが国家資格を保有する技術のプロフェッショナルです。

一級建築士、一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士など、高度な資格を持つ社員が多数在籍していることは、同社の技術力の高さを裏付けています。

 

保有資格(一部)

人数

一級建築施工管理技士

27名

一級土木施工管理技士

16名

一級建築士

7名

二級建築士

17名

 

中田建設では、ベテランから若手へと技術を継承するための人材育成にも力を入れています。地域の学校からの採用を積極的に行い、地元で育った若者が、地元の街づくりに貢献できる環境を整えています。また、資格取得支援制度などを通じて、社員のスキルアップを継続的に後押ししています。

 

これからの能代と中田建設が描く未来

人口減少や少子高齢化など、秋田県や能代市が抱える課題は少なくありません。しかし、洋上風力発電という新しい産業の芽が育ちつつある今、地域には新たな活気と可能性が生まれています。

中田建設は、「ここまで“中田建設”を育ててくれたこの秋田という地域、そして弊社に貢献してくれた先人たちの教えを大切にし、これからも『秋田のまちづくり』に社員一人ひとりが思う存分力を発揮できる企業で在り続けるよう、挑戦し続けてまいります」と宣言しています。

70余年の歴史の中で培われた技術と信頼。そして、未来に向けて変化を恐れない柔軟な姿勢。中田建設はこれからも、エネルギーのまち能代の発展とともに歩み、地域の暮らしと未来を支える企業として、力強く前進していくことでしょう。

次回の記事からは、中田建設が関わってきた「風力発電」「火力発電」「JAXA」のそれぞれの分野について、さらに詳しく掘り下げていきます。地域とともに歩む建設業の姿を、ぜひご覧ください。

 

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