ESG投資で長期リターンと社会貢献の両立を狙え!ESG急拡大の理由
更新日:2023年10月30日
ESG投資が急拡大の理由を解説 出典:iStock
最近トレンドのESG投資は、投資先の企業が環境・社会・企業統治への取組みを判断基準のひとつとして投資を行うことをいいます。社会貢献をしながら長期的な利益も得られるとして、注目を集めるESG投資。どのようなものか、事例もご紹介しながら説明いたします。
- この記事の著者
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- エネルギーのまち能代 編集部
- 皆様は「洋上風力発電」をご存知でしょうか。秋田県能代(のしろ)市では、日本で初めての「大規模商業運転」が2022年から始まっています。
このサイトでは風力発電の話題はもちろん、再生可能エネルギーや環境問題についても幅広く解説しています!洋上風力発電で未来をひらく、能代の「いま」をご覧ください。
もくじ
社会貢献につながるESG投資
社会課題に取り組む企業への投資がESG投資 出典:iStock
ESG投資とは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス=企業統治)の単語の頭文字をつなげたもので、利益・売上高・保有財産などの財務情報だけでなく、ESGという非財務情報も考慮した投資のことです。
ESG投資では環境や、社会問題の解決に積極的に取り組んでいる企業は持続可能性があると判断されます。ESG投資を行うことで社会貢献につながるだけでなく、長期的に安定したリターンが得られることが期待されています。
なお、ESG投資の対象となる事業継続における課題は、以下が挙げられます。
Environment(環境)分野
廃棄物問題、気候変動、水資源、生物多様性、再生可能エネルギーの利用など
Social(社会)分野
労使関係、地域社会との関係性、人権問題、ワークライフバランス、ダイバーシティの促進など
Governance(企業統治)分野
行動規範、経営の透明性、不正防止、コンプライアンスなど
SDGsと考え方が似ていますが、SDGsは持続可能な社会を実現するための目標であるのに対し、ESGは持続可能な社会をつくるための手段と捉えるとイメージしやすくなるでしょう。
ESG投資が注目されたのは、国連提唱の「責任投資原則(PRI)」への署名がきっかけ
国連が提唱した「責任投資原則(PRI)」 出典:iStock
日本でESG投資が注目されるようになったのは、2015年に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という巨大投資機関が、国連が提唱した「責任投資原則(PRI)」に署名したことがきっかけでした。
GPIFとは、日本の年金積立金の運用・管理を行う組織で、運用資産額が約219兆円(2023年度第1四半期末現在)という世界最大の公的運用機関です。GPIFがPRIに署名したことの市場への影響は大きく、機関投資家が後に続きました。
それまで環境や社会、ガバナンス分野への取り組みは大企業が行うものとされていた常識が覆されたことにより、ESGに消極的な企業は投資対象から外されるのではという認識が企業の中でも広まりました。
また同年、国連サミットでSDGsが採択されたことも、ESGという考え方が普及した一因といえるでしょう。
ESG投資の責任投資原則(PRI)
PRIに署名する企業は増えている 出典:iStock
ESG投資は、2006年に国際連合コフィー・アナン事務総長が金融業界に対して提唱した責任投資原則(PRI)に基づいて行われています。PRIに署名した機関は、投資や活動を行う際に、ESGの観点から行うことをその原則としています。
PRIに賛同する機関投資家は増え続けていて、2021年の時点で4,000以上の署名を集めています。今後もPRIの拡大に伴い、ESG市場もますます拡大していくことが予想されます。
能代市のESG取り組み事例
能代市の取り組み事例『TENOHA能代』 出典:TENOHA能代
秋田県能代市に、TENOHA(テノハ)能代という施設があります。東急不動産ReENE(リエネ)が開設した新しい地域交流&ワークスペースです。
廃校となった小中学校をリノベーションすることで、地域課題の解決や地域活性化につなげようというプロジェクトです。
再生可能エネルギーに適したこのエリアは、自然環境を活かした産業が盛んな一方で、少子高齢化・未利用施設の増加・後継者不足等、多くの課題を含んでいます。
この問題を解決するために東急不動産ReENE が、ESGの観点から再生可能エネルギー事業を通じて、持続可能な社会と成長を実現しようと、地域共生プロジェクトに取り組みました。
目先の利益だけを追求するのではなく、企業が地域や社会と一体になって、事業を行う。これが、ESG企業に求められること。
事業自体が環境や社会課題の解決を目的としているため、ESGに取り組むことがそのまま、企業の価値を高めることに繋がっているのです。
ESG投資で社会貢献と長期的なリターンを狙え!「三方よし」
社会課題を解決して明るい未来を 出典:iStock
今回の記事では、ESG投資を紹介いたしました。ESG(環境・社会・企業統治)に配慮した企業に投資を行うことにより、社会貢献をしながら投資の長期的なリターンを得るというものです。
ESGの考え方は、決して新しいものではありません。近江商人に伝わる、「三方(売り手・買い手・世間)よし」に近いものがありますね。PRIを原則としたESG投資は今後さらに拡大を続けていくことが予想されています。SDGs達成の観点からも、企業はサスティナブルな活動を求められています。
ESGに積極的に取り組むことで、投資先の選定という観点だけでなく、中長期的に成長していく企業の指針として考えられるようになっていくでしょう。