風力発電

次世代風力発電 鳥にも優しいチューリップ型の風力タービン

更新日:2025年1月31日

次世代風力発電 鳥にも優しいチューリップ型の風力タービン

出典:iStock

 

再生可能エネルギー分野では、様々な技術で次世代風力発電にチャレンジするスタートアップ企業が注目されています。この連載では、風力発電に関するユニークな製品や技術を持つスタートアップ企業を紹介します。今回は一風変わったチューリップ型の風車を開発したスタートアップ企業をご紹介します。

この記事の著者
エネルギーのまち能代 編集部
皆様は「洋上風力発電」をご存知でしょうか。秋田県能代(のしろ)市では、日本で初めての「大規模商業運転」が2022年から始まっています。
このサイトでは風力発電の話題はもちろん、再生可能エネルギーや環境問題についても幅広く解説しています!洋上風力発電で未来をひらく、能代の「いま」をご覧ください。

スタートアップの次世代風力発電:チューリップ型の小型風力タービン

ウィンドチューリップ 出典:Flower Turbines

出典:Flower Turbines

 

風力発電のタービンといえば、多くの方が三枚羽根の風車を思い浮かべるのではないでしょうか。チューリップ型のカラフルなタービン「ウィンドチューリップ」は、現在ヨーロッパを中心に導入が広がっています。開発を進めるのは、オランダとアメリカに拠点を置くフラワータービン社。風力発電のスタートアップ企業です。

ウィンドチューリップは垂直型の小型風力タービンで、その高さは1~6m程度。一般的な陸上風力タービンは直径が数10mとなるため、はるかにコンパクトなサイズです。主力の3mモデルの定格出力(安定して出力できる電力)は500W、重量は300kgで、建物の屋上や船舶に設置しやすいことが特徴です。

 

スタートアップ企業が取り組む小型風力タービンの課題

ウィンドチューリップ開発 出典:Flower Turbines

出典:Flower Turbines

 

都市部での風力による自家発電には、騒音や景観問題、バードストライクなど、住環境、自然環境の観点における課題があります。また、小型風力タービンは大規模なものよりも効率が低い傾向にあり、風力の変動など、出力の安定化や高効率化も課題となっています。

フラワータービン社のパーパス(企業の目的)は、「風力発電の課題を軽快に乗り越え、自立したエネルギーのあり方を目指す」というもの。

フラワータービン社は、低周波数によって騒音を抑え、バードストライクが起きにくい形状の小型風力タービンの開発技術で特許を取得し、この問題に取り組んでいます。
都市部や狭いスペースでも効率よく発電ができ、みんなが快適に暮らせる風力タービンを開発、普及をさせていくことで、持続可能なエネルギー供給ができる未来を実現しようとしています。

 

スタートアップの次世代風力発電:ユニークな小型風力タービン

ウィンドチューリップ製造 出典:Flower Turbines

出典:Flower Turbines

 

ウィンドチューリップは個性的なデザインながら、様々な優れた機能も有しています。フラワータービン社のウェブサイトからその特長をまとめてみました。

  • ・スペースを取らずに、企業や個人がエネルギーの自給自足ができる
     幅を取らない形状のため、都市部などの狭いところでも発電できます
  • ・低周波数で騒音を抑えることができる
     フラワータービン社によれば、風の音よりも騒音を抑えることができます
  • ・トラックや船にも搭載することができる
     耐久性は高く、時速185kmの移動速度にも耐えられるそうです
  • ・バードストライク(鳥の衝突)が起きにくい構造
  • ・始動速度が遅く、風速0.7mで稼働できる

 

スタートアップの次世代風力発電:フラワータービン社まとめ

ウィンドチューリップと人々 出典:Flower Turbines

出典:Flower Turbines

 

フラワータービン社のユニークでオシャレな風力タービンには、風力での自家発電における課題解決を目指した技術が詰め込まれていました。ビルやモビリティへの設置で、災害時にも自立したエネルギーとしての活用が期待できます。

ウィンドチューリップは今、オランダ大使館やホテルなど、様々な組織に導入されています。






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