インタビュー

風力発電のある街、能代市の「のしろ自慢」を集めました!

更新日:2023年10月30日

風力発電のある街、能代市の「のしろ自慢」を集めました!

 

洋上風力発電と陸上風力発電の共にある風力発電のある街、能代。この能代で暮らすって、どんな感じでしょうか?能代(のしろ)に移住された方、昔住んでいた方々から、「能代(のしろ)の好きなトコ」を集めてきました!お話を伺った方の中には「やっぱり能代(のしろ)が良い」と戻ってきた方も。この記事を読んだ後、能代(のしろ)に住みたくなっちゃうかも!

この記事の著者
エネルギーのまち能代 編集部
皆様は「洋上風力発電」をご存知でしょうか。秋田県能代(のしろ)市では、日本で初めての「大規模商業運転」が2022年から始まっています。
このサイトでは風力発電の話題はもちろん、再生可能エネルギーや環境問題についても幅広く解説しています!洋上風力発電で未来をひらく、能代の「いま」をご覧ください。

住むのに良い街、能代(のしろ)

出典:編集部にて撮影「能代のアーケード」出典:編集部にて撮影「能代のアーケード」

 

洋上風力発電の取材で、秋田県能代市を訪れた編集部。地元の企業や市長への取材を通じて、取材にご協力いただいた方々の気さくさや気遣いを感じました。
「人が、温かいな」
編集部の能代の第一印象でした。
そんな能代に魅力を感じ、いま、約1000人の移住者が生活の根を下ろしています。

ふと、能代市にはどんな人たちが住んでいるのだろう、と興味がわき、街の人たちにインタビュー。能代を自慢していただきつつ、風力発電について日々思うことを答えていただきました。

ここからは、能代市の皆さんのインタビューをご紹介いたします。

広島から能代に移住「柿のお兄さん」

出典:編集部にて撮影・編集 「お好み焼きカッキーのカッキーさん」出典:編集部にて撮影・編集 「お好み焼きカッキーのカッキーさん」

 

柿をイメージさせるかわいい洋服を着こなす、カッキーこと柿木さん。地元では有名人のカッキーさんは、「エネルギーと食材の地産地消」をコンセプトとしたお好み焼きのキッチンカーを運営しています。


能代の良いところ、教えてください!



好きなところは色々あるけど、能代はね、本当に自然がすごいんです。海がすぐ近くにあるけど、ちょっと車を走らせると山があったり、湖につながる川があったり……自然で遊ぶのに何も困らない。冬はスノーボードも出来るし、季節によって様々な楽しみ方があって面白い場所ですね。

僕は広島出身なんですけど、広島にいた頃は自然ってそんなに意識した事がなかったです。
でも、能代に来て白神山地の紅葉や、きみまち坂の桜を目の当たりにして、自然の雄大さを感じるようになりました。

あと、能代は空港が近いのが良いですよね。飛行機に1時間ちょっと乗れば大都会の東京に行けますし、東京からだと何処へでも行けます。これは本当に便利で、僕の感覚的には能代の隣に東京があるイメージです。秋田市からは船も出てるから車を載せて新潟にも行けちゃうし、実はアクセスが良いんですよ。

 

出典:編集部にて撮影 「自然の雄大さを語るカッキーさん」出典:編集部にて撮影 「自然の雄大さを語るカッキーさん」

 

エネルギーの街「能代市」に住んで、思うことはありますか?



僕はいま、お好み焼きのキッチンカーをしているのですが、そのコンセプトが、エネルギーと食材の地産地消なんです。能代市は風力発電が有名ですけど、僕の場合は太陽光パネルで日光を集めて電力に変え、その電力でお好み焼きを調理するというキッチンカーを運営しています。
そういった背景もあって、この街が風力発電をはじめとした再生エネルギーに力を入れて取り組んでいるというのはとても先進的で、すごくいいなって。

この街に住んでて誇りに思います。

カッキーさんはお好み焼きのキッチンカーの他に、民家や畑の放置柿の加工や販売も行っています。まさにSDGsな取り組みです。

カッキーさんの活動が気になる方は、ぜひTwitterもチェックしてみてください。
https://twitter.com/kakin0ki?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

地域おこし協力隊の能代への移住コンビ

出典:編集部にて撮影 「能代はどんな街?『ちょーどいいまちのしろ』『とことん遊べる能代』」出典:編集部にて撮影 「能代はどんな街?『ちょーどいいまちのしろ』『とことん遊べる能代』」

 

ともに移住組で、地域おこし協力隊として活動している田中さん(写真左)と鈴木さん(写真右)にも聞いてみました。


能代の良いところ、教えてください!



田中:やっぱり、お祭りですね!7月末から8月末にかけては能代はお祭りウィークが続いてて、アツい笑 普通はお盆あたりに大きいお祭りがひとつあって、って感じですけど、能代はみんな、祭り好きですね。

あとね、暮らしやすい。「ちょうどいい田舎」っていうんですかね。すぐそばに海や山があって、スーパーもコンビニもあるし、買い物にも困らないし、幼稚園もちゃんとあるし、困らないんですよ。私はUターンで子供が小さい時に東京から戻ってきたんですけど、子どもと遊ぶ時って、都会でも田舎でも、そんなに変わらないじゃないかな。公園とかは、むしろ、都会の方が混んでたり、遠かったりで、自由に遊べなかったりします。その点、能代は子供たちも自由に遊べますので、子育てに困ることがないんです。

鈴木:僕は、一番好きなところは、米代川の土手沿いから見る景色。山地をバックに広がる田園風景と米代川がとてもきれいなんです。僕はランニングが趣味で、今日も米代川沿いの土手を走っていたのですが、青空の中に白い雲が浮かんで、その下に白神山地が雄大に横たわってて、延々と流れる米代川の水の流れとか、すごい景色なんです。
四季折々の景色が見られて、夏は青空に白い雲の爽やかな風景だし、冬は雪をかぶった白神山地。日が昇り晴れてくると、銀色に反射した雪をかぶった白神山地の山々が見えて幻想的ですね。

あと、能代の人が好き。街を歩いていると、小中学生や高校生も、自分に挨拶してくれる。都会から能代に来た最初の頃は、誰に挨拶してるのかなって思ってたんですよね。子供達は僕に挨拶してくれてたんですよね!これにはちょっとびっくりしました笑

 

出典:編集部にて撮影「米代川」出典:編集部にて撮影「米代川」

 

ーエネルギーの街能代に住んで、思うことはありますか?


鈴木:
日本全国のナンバーの車を見るので、風力発電関係の業者さんが来てるなと感じてて。ホテルも予約いっぱいですし、視察の人たちが夜、飲みに行ったりするところを見たりとか。能代に落ちるお金や、人の流れも活発になって、もの凄い経済効果になっていると思います。


ー音は気になる?



田中:そんなことないですね。意外と静かで、近くに行かないと聞こえないですよ。風力発電はどんどん立ってて、私達も見慣れていて、「今日も元気に回ってるな」なんて思いながら、日々過ごしています。

 

出典:編集部にて撮影「田中さん(左)と鈴木さん(右)」出典:編集部にて撮影「田中さん(左)と鈴木さん(右)」

ふたついの道の駅の駅長が語るのしろ自慢

出典:編集部にて撮影・編集「能代の好きなところ_道の駅駅長」出典:編集部にて撮影・編集「能代の好きなところ_道の駅駅長」

 

能代市の内陸部にある二ツ井(ふたつい)地区の道の駅、「道の駅ふたつい」。悠々と流れる米代川を挟み対岸には七座山(ななくらやま)が見られる道の駅には、農産物だけではなく、お米を使ったパスタや日本酒などの特産品もたくさん売られています。(夏にはクワガタムシもあり自然豊かな証拠!)
秋田杉の里、恋文の里である道の駅ふたついは、2018年にリニューアル。
木都を思わせつつ、建築美を感じる建物でした。

 

出典:編集部にて撮影「道の駅ふたつい」出典:編集部にて撮影「道の駅ふたつい」

 

お次は、道の駅ふたついの駅長安井さまに、能代市の好きなところを聞いてきました。



能代の良いところ、教えてください!


私はね、ここ。道の駅。ここが一番好きかな。川を挟んで見えるあの山は七座山というのだけれど、あそこは江戸時代後期から伐採が禁止されている山なんですよ。昔この辺は里塚藩っていう藩が納めてたんだけど、戦があると木材が必要になるでしょ。切り出した木材を川に流して運べるから、何かのためにとっておけという。災害起きたら木材は必要だからね。だから、ここは、能代と秋田杉を支える場所なんです。

二ツ井は市町村合併で能代市になったから、能代の他の地域とはちょっと違った魅力を持っていると思います。僕は生まれも育ちも二ツ井で、ずっと遊びの中で生きてた。山に行ったり川に行ったりして、自然と遊んでいました。近くに七座神社というのがあって、そこでは川遊びができるエリアがあって。

あとは、暮らしやすさ。昔、この辺りは林業で栄えた時があって、その時に商売始めた方もいっぱいいて、その名残なのかすごく人情味があるというか。暮らしやすいっていうのは、人と人とのつながりがあるのがやっぱりいいなと思います。

 

出典:編集部にて撮影 「道の駅ふたつい 駅長 安井さん」出典:編集部にて撮影 「道の駅ふたつい 駅長 安井さん」

 

能代市では風車や、再生エネルギーの取組みをされていますが、どう思いますか?



火力に頼らないエネルギーを出すっていうことでしょ。事業としてよくここまでやったなって。やっぱり市長の決断力と説明責任。あと、地元業者のみなさんが凄いですよね。あの位の大きい事業を、本当に短い間に良くやったなって。褒めてあげたいと思ってます笑

 能代にないのなら、作ろう!のしろ家守舎

出典:マルヒコビルヂング「のしろいち」出典:マルヒコビルヂング「のしろいち」

 

「やればやるほどどんどん気持ちが高ぶっていって、
もっとやりたい!っていう良い瞬間が生まれて。
新しいことを、これからもやっていくんじゃないかって思います」

少年のように目を輝かせながら能代の未来について語ってくれたお二人は、駅から歩いて5分もかからずにたどり着ける、空き店舗を再利用したコミュニティスペース『マルヒコビルディング』のオーナー。
能代市をもっと楽しく盛り上げていくために4人で作った会社「のしろ家守舎」の湊さんと鈴木さんは、コロナでお祭りがなくなった能代に、新しいお祭り「のしろいち」を作った仕掛け人。能代駅前を元気にすることを目的に始まったのしろいちは、「第0回」(失敗したらノーカウントにしようと思ったそうです…!)の開催で、15,000人が来場し、大盛況に終わりました。



能代の良いところ、教えてください!

 

出典:編集部にて撮影・編集「能代の好きなところ_湊さん」出典:編集部にて撮影・編集「能代の好きなところ_湊さん」

 

湊:ここって、何もないじゃないですか。「ないもの」がいっぱいあるんですよね。今、もう一つ違うお店を開けようとしているんだけど、ないものってやっぱりないものじゃないですか。ここにないもの全部詰め込んで、足りないものをみんなで作っていって。
裏を返せば、「やれること」しかないじゃないですか。

僕は能代に戻ってくる前は首都圏にいたけど、首都圏ってプレイヤーも多いしもうやりつくされているから、あんまりどんどん良くなっていくっていうイメージがつかなかったんですよね。
でも、ここってシャッター閉まってるところばっかりだから、ひらけば何か変わるんですよ。だから僕たちはシャッターがね、まさに宝物だなって思う。前向きな考え方というか、そういう気持ちで街を見ると、もう、楽しさしかないんです。

 

出典:編集部にて撮影・編集「能代の好きなところ_鈴木さん」出典:編集部にて撮影・編集「能代の好きなところ_鈴木さん」

 

鈴木:好きなところ。難しいな……全部かなって思ってて。なんか気の利いた一言にはまとめづらいんだけど、最近よく使ってるのは「伸びしろしかない」。

昔僕らは木都でなかなか裕福な街で、木材に関連する仕事をする方が多くて、すごく潤った街だったんだけど、そこから自分たちの父親の年代でバブルがはじけて落ち込んでいって。
そういう街を自分たちでもっと楽しくできないかなって同年代で手を組んで前に進みだした。今後何をするにしても、すべて伸びしろしかなくて。街の人たちもだんだんそれに同調してきてくれてるというか。

こうやって街の人が楽しくやってるのを高校生が見てて、ちょっといいなって思ってくれたらいいですね。近くに楽しそうな大人がいるかどうかって子どもにとってもけっこうだいじだと思うんです。



エネルギーの街能代に住んで、思うところはありますか?

 

出典:編集部にて撮影「湊さん(左)と鈴木さん(右)」出典:編集部にて撮影「湊さん(左)と鈴木さん(右)」

 

鈴木:エネルギーの街って始まったばっかりだから、まだまだこれからだと思ってます。再生可能エネルギーって、作ることも大事だけど、それをどう使っていくかっていうことも大事だと思うんです。

エネルギーっていうとどうしても風車とか、そういうところに行きがちだけど、日々の生活がクリーンにできたら、超いいと思うんです。今はまだ、税金として入ってくるからそういうところでの恩恵は受けられるのかもしれないけど、生活の中では感じにくい。街に住む僕たちが、毎日、1日の生活の中でそれを感じられるといいなって思います。

湊:僕はマルヒコビルヂングの地下を家具工房にしてるんだけど、その場所ですら木屑がいっぱい出る。そういうものを活用して、町内レベルでエネルギーにして、町内だけで電気を賄えるみたいな、そういうモデルができたらすごいクリーンでいいなって思ってて。

もちろん、国レベルで外向けの取組も大事だけど、街に住んでいる立場としては、みんなの地域レベルに落としたエネルギーの方向性にも持っていけたらいいなって思ってます。

前向きで人が優しい街、能代

出典:編集部にて撮影「空き店舗を改装して高校生が自分たちで作った交流スペース」出典:編集部にて撮影「空き店舗を改装して高校生が自分たちで作った交流スペース」

 

今回のインタビューを通して感じたのは、能代に住む皆さんが、みんな前向きだということ。

今あるものを大切にしながら、欲しいものを形にしていく。そのこころが伝わるものが街中のところどころにあって、アーケードや駅前を歩いているだけで、オシャレなカフェがぽん、ってあったり、みんなが集まれるような楽しいスペースが用意されていたり。
歩く度に宝物を発見したような気持ちになれる場所。それが、能代なんです。

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