環境に関する意識の高まり

環境配慮型の企業は成長株!SBT認定企業とは?

更新日:2023年12月1日

環境配慮型の企業は成長株!SBT認定企業とは?

環境配慮への意識の高まり(写真はイメージです)出典:iStock

 

SBT認定という言葉を聞いたことはありますか?これはパリ協定が求める水準の温室効果ガス削減目標のことです。国際的なSDGsの普及と共に、企業も環境に配慮することが求められるようになっています。SBT認定を取得することで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?簡単にご説明します。

この記事の著者
エネルギーのまち能代 編集部
皆様は「洋上風力発電」をご存知でしょうか。秋田県能代(のしろ)市では、日本で初めての「大規模商業運転」が2022年から始まっています。
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ビジネス界でも注目!SBT認定

世界のSBT参加累計企業数 出典:環境省データより編集部作成

世界のSBT参加累計企業数 出典:環境省データより編集部作成

 

SBTは、 510年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標です。Science Based Targetsの頭文字をとっています。気候変動問題に関する国際的な枠組みであるパリ協定が求める水準と整合させた目標であり、SBTに参加する企業は年々増え続けています。

 

上記のグラフは、環境省が発表したSBTに参画する累計企業数のグラフですが、2022年の3月はコミット数と認定数の合計で2,671社。202321日には、4,484社(コミット企業2,218社、認定企業2,266社)まで拡大しました。

 

SBTの企業への広がりの背景は、世界の有名企業や投資家により結成された連合体、WMBの取り組みの一つとされていることにあるようです。20149月に結成されたWMBは、We Mean Businessの頭文字をとったもので、「我々は本気で温暖化対策(現在はパリ協定)をビジネスの問題として考えている」という意味を持っています。環境問題に取り組む主要な国際機関や企業や投資家をつなぐプラットフォームの役割を持つWMBには、20218月時点では2,011社が加盟しています。ビジネスに影響力のあるプレイヤーが参画する団体がSBTをけん引し、世界中の企業がSBTに参加する事で、より強力な気候変動対策が可能となり、ビジネスの標準がSBTの基準になることも狙いとされています。

 

SBT認定の要件

SBTの認定要件 出典:iStock

SBTの認定要件 出典:iStock

 

温室効果ガス削減の未来の目標を示すSBTの要件は、SBTを推進する団体SBTiのガイドライン資料 に記載されています。この記事では、20232月に発表された環境省のレポートをベースとして、SBTの要件の一部を紹介します。

※SBTiのガイドラインは変更されることがあるため、最新のガイドラインを確認する必要があります。

 

SBTの要件:目標年(いつまでに)

SBT認定の申請時から5年以上先、10年以内の目標とされています。「今やっていること」ではなく、目標達成までの期間を、設備投資等も含めて実現できる長期的な期間に設定されていることがポイント。

 

SBTの要件:基準年(いつから)

温室効果ガス削減率の基準となる年は、パリ協定が採択された2015年以降で最新データが得られる年で設定することが推奨されていて、未来の基準年を設定することはできません。

 

対象範囲(企業活動のどの部分で)

SBTに認定されるうえで必要な工程として、企業自身のサプライチェーン排出量を決める必要があります。温室効果ガスの排出量を、直接排出(Scope1)、自社のエネルギー使用による間接排出(Scope2)、それ以外の間接排出(Scope3)と定義し、それぞれが、削減対象となります。

 

出典:環境省

出典:環境省

 

目標レベル(どの程度)

以下の水準を超える削減目標を設定すること

Scope1とScope21.5℃水準(少なくとも年4.2%の削減)

Scope3:WB2℃基準(少なくとも年2.5%の削減)

※基準年Scope3が、Scope13の合計の40%を超えない限りは、Scope3は目標設定をしなくてよい。

 

SBT認定3つのメリット

SBT認定を受けることによる企業のメリット(写真はイメージです) 出典:iStock

SBT認定を受けることによる企業のメリット(写真はイメージです) 出典:iStock

 

SBT認定を受けることで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?代表的なメリットは3つです。

 

SBT認定企業のメリット:パリ協定に整合する環境配慮型企業であることを、社内外にアピールできる

企業に環境配慮が求められる昨今、自社内で温室効果ガス削減に向けた努力を行うだけでなく、対外的な宣言を行いステークホルダーに認知されることが重要です。パリ協定に整合する水準により定められたSBTは、気候科学に基づく「共通基準」で評価・認定された⽬標を打ち出すことで認定されるため、投資家、顧客、サプライヤー、社員それぞれの立場に対して、分かりやすくアピールできます。

 

SBT認定企業のメリット:ESG投資による資金調達が期待できる

ESG投資に注目が集まっている昨今、企業が持続可能な経営を行っているかは、投資家にとって重要です。各企業の環境情報を投資家に向けて提供している国際的なNGO組織であるCDPは、気候変動などによる企業の経営リスクへの対応を調査・評価をしたうえで、公表します。SBTなど、環境への取り組みを行う企業は高い評価を得られるため、自社の活動を投資家にアピールできるようになります。

ESG投資について詳しく知りたい方はこちら 

SBTでは現状、目標未達のペナルティが存在しません。高い目標を掲げ、それに取り組むという姿勢が重要です。なお、中小企業向けにより簡易な「中小企業向けSBT」も存在します。

 

SBT認定企業のメリット:具体的な数値目標の設定で経営を長期的に俯瞰できる

SBT認定を行う際には、サプライチェーン全体での温室効果ガスの排出量を把握する必要があります。5~10年後を見据えた具体的な数値目標を設定することで、長期的な経営計画を立てる事ができます。

 

日本のSBT認定企業も年々増加中

日本のSBT参加累計企業数 出典:環境省データより編集部作成

日本のSBT参加累計企業数 出典:環境省データより編集部作成

 

日本でもSBT参加企業は増加しており、2023年6月の時点で515社が認定を受けています。(グラフは202321日時点で426社)2022年度での認定企業数は、世界第三位となり、現在も増加傾向にあります。

世界的に食料品業界が多く参加するSBTは、日本では電気機器や建設業が多くその他も製造業、物流業、小売業、サービス業など、様々な業種がSBTを設定しています。

 

SBT認定でビジネス機会も拡大する

SBT認定でビジネス機会を創出する(写真はイメージです) 出典:iStock

SBT認定でビジネス機会を創出する(写真はイメージです) 出典:iStock

 

直接の利益に繋がりづらいと考えられてきた環境問題や脱炭素に関する活動は、これまではCSRの一環として活動する雰囲気がありました。いま、SBT認定等、環境をビジネスとして捉える動きが加速し、環境問題に配慮することがビジネスメリットとして還元される時代に変わってきています。

中小企業が取りやすい枠組みも用意されているSBTにより、脱炭素化への取り組みは、事業規模の大小を問わず、企業戦略の一環としてステークホルダーの声に応える方法となっています。

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